2026年7月24日金曜日

交通事故の相手が任意保険に入っていなかったら?

交通事故の相談を受けていると、事故の相手が任意保険に加入していない、いわゆる「無保険」のケースがあります。


「相手が無保険なら、損害賠償を受けることはできないのでしょうか」と心配される方もいますが、任意保険に加入していないからといって、相手方の損害賠償義務がなくなるわけではありません。


ただし、実際に損害を回収できるかという点では、通常の交通事故とは異なる問題が生じます。


まず、人身事故については、相手が任意保険に加入していなくても、自賠責保険に加入していれば、被害者から相手方の自賠責保険に直接請求することができます。


自賠責保険では、傷害について被害者1人につき120万円を限度として、治療費、休業損害、慰謝料などが補償されます。


もっとも、自賠責保険は人身事故の被害者を救済するための制度ですので、車両の修理費などの「物損」は補償されません。


そのため、例えば車両の修理費が発生しても、相手が任意保険に加入していなければ、原則として相手本人に直接請求することになります。


ここで問題になるのが、相手に支払能力があるかどうかです。


裁判をして勝訴判決を得ても、相手に預貯金や給与などの差し押さえることのできる財産がなければ、直ちに全額を回収できるとは限りません。


無保険の交通事故では、「法律上いくら請求できるか」という観点と、「実際にいくら回収できるか」という実問題をいかに整理して解決にもっていくかが弁護士の経験値によって変わってくるところです。


また、被害者自身が加入している自動車保険を確認することも【重要】です。


人身傷害保険に加入していれば、相手方が無保険の場合でも、自分の保険から治療費や休業損害などについて補償を受けられることがあります。


死亡や後遺障害が生じた場合には、無保険車傷害保険を利用できる場合もありますし、車両保険に加入していれば、自分の車の損害について自分の保険を利用できることもあります。


さらに、ぜひ確認していただきたいのが「弁護士費用特約」です。


弁護士費用特約が付いている場合には、交通事故についての弁護士への法律相談や、相手方に対する損害賠償請求の依頼に必要となる弁護士費用を、特約の補償範囲内で保険会社に負担してもらうことができます。


一般的な弁護士費用特約では、弁護士費用について1事故・被保険者1名につき300万円程度、法律相談費用について10万円程度を上限として補償する内容が多く、通常の交通事故案件では、弁護士費用について自己負担が生じないケースが多いです。


また、弁護士費用特約だけを利用したことによって、自動車保険の等級が下がるという扱いには通常なりません。


そのため、相手が無保険で、「相手本人と直接話をしなければならないのか」「修理費をきちんと支払ってもらえるのか」などと不安を感じている場合には、ご自身やご家族の自動車保険に弁護士費用特約が付いていないか、一度確認してみることをお勧めします。


なお、弁護士費用特約の補償範囲や利用条件は保険契約によって異なりますので、実際に利用できるかどうかは保険会社への確認が必要です。


また、相手が任意保険だけでなく、強制保険である自賠責保険にも加入していなかった場合、人身損害については、国の「政府保障事業」による救済を受けられる場合があります。


このように、相手が無保険だからといって、直ちに「泣き寝入り」になるわけではありません。


むしろ、相手が無保険の場合には、自賠責保険、自分自身の保険、弁護士費用特約、相手本人への請求など、利用できる方法を早い段階で整理することが重要です。


当事務所では、交通事故についてのご相談をお受けしています。


ご自身の自動車保険に弁護士費用特約が付いている場合には、法律相談や弁護士への依頼について自己負担なく利用できるケースも多くありますので、「この程度の事故で弁護士に相談してよいのだろうか」と迷われる必要はありません。


相手が無保険でお困りの場合には、お気軽に法律相談についてお問い合わせください。


弁護士 市川哲宏


2026年7月1日水曜日

7月の無料相談日のお知らせ

 当事務所では、毎月第3木曜日に無料法律相談日を設けています(※要予約、先着順)。


今月は、7月16日(木)に開催致しますので、

ご希望の方はお電話(0568-85-4877)にてご予約ください。

  

  ★午前10時~午前12時は「高蔵寺事務所」にて先着3名、各30分

  ★午後1時~午後4時までは「春日井事務所」にて先着4名 各30分