2026年9月23日水曜日

離婚時の財産分与の請求期限が2年から5年に延長されました。

以前、このブログでも、離婚後の財産分与の請求期限について、法律の改正により「2年」から「5年」に延長される予定であることをご紹介しました。


この改正法が、令和8年4月1日に施行されています。


財産分与とは、夫婦が婚姻中に協力して形成・維持してきた財産について、離婚に際して分与を求める制度です。


これまでは、離婚後に話合いがまとまらない場合、家庭裁判所に財産分与を求めることができる期間は「離婚の時から2年」とされていました。


今回の改正により、この期間が「5年」に延長されました。


離婚の際には、親権、養育費、面会交流、慰謝料など、多くの問題を同時に整理しなければならず、財産分与について十分に検討できないまま離婚を先に成立させることもあります。今回の改正により、従前よりも時間をかけて財産関係を整理できるようになりました。


もっとも、重要な注意点があります。


令和8年3月31日以前に離婚した場合には、今回の「5年」という期間は適用されず、従前どおり離婚後2年間が期間制限となります。「5年に延びたから大丈夫」と考えず、まず離婚した時期を確認する必要があります。


また、今回の改正では、財産分与の判断に当たって考慮する事情も民法上明確にされました。


特に、婚姻中の財産の取得・維持について、夫婦それぞれの寄与の程度は、それが異なることが明らかでない限り「相等しいもの」とされています。実務上いわれてきた、いわゆる「2分の1ルール」が法律上も明確になったものです。


もっとも、夫婦が持っている財産であれば、何でも2分の1に分けるというわけではありません。


例えば、結婚前から持っていた預貯金や、婚姻中に相続・贈与によって取得した財産などは、いわゆる「特有財産」として財産分与の対象とならないことがあります。


この「特有財産」は、実際の財産分与でもよく問題となりますので、今後のブログで改めて詳しくご紹介したいと思います(当事務所にて、この「特有財産」をめぐる争いを複数件扱っております。)。


なお、財産分与の請求期間が5年に延長されたとしても、時間が経過すると預貯金の取引履歴などの資料を集めることが難しくなることがあります。


離婚後に財産分与をしていない方や、話合いがまとまっていない方は、早めに財産関係を整理することをお勧めします。


離婚や財産分与について、ご相談がありましたら、お気軽にお問合せください。


弁護士 市川哲宏



2026年9月1日火曜日

9月の無料相談日のお知らせ

 当事務所では、毎月第3木曜日に無料法律相談日を設けています(※要予約、先着順)。


今月は、9月17日(木)に開催致しますので、

ご希望の方はお電話(0568-85-4877)にてご予約ください。

  

  ★午前10時~午前12時は「高蔵寺事務所」にて先着3名、各30分

  ★午後1時~午後4時までは「春日井事務所」にて先着4名 各30分

2026年8月20日木曜日

離婚の財産分与では、どのような財産が対象になる?(預金の名義問題、不動産、退職金、保険等)

離婚の財産分与というと、「夫婦共有名義の財産を2人で分ける制度」と思われることがあります。


しかし、実際には、誰の名義になっているかだけで財産分与の対象が決まるわけではありません。


財産分与では、夫婦が婚姻中に協力して取得・維持した財産であるかどうかが重要になります。


例えば、婚姻中に夫の収入から貯蓄した預金が夫名義の口座に入っていたとしても、夫婦の協力によって形成された財産であれば、原則として財産分与の対象になります。


不動産についても同様で、夫単独名義の自宅だから夫だけの財産、ということにはなりません。


では、まだ実際に受け取っていない「退職金」はどうでしょうか。


退職金についても、将来受け取るものだから当然に財産分与の対象外になるわけではありません。


退職金には、これまで勤務してきたことに対する給与の後払いという性質があるため、婚姻中の勤務期間に対応する部分については、財産分与の対象となることがあります。


実務では、例えば別居時に自己都合退職したと仮定した場合の退職金額を確認し、そのうち婚姻期間に対応する部分を算定する方法などがとられます。


そのため、離婚時にまだ退職予定が先であっても、勤務先に退職金制度がある場合には確認が必要です。


生命保険や学資保険についても注意が必要です。


保険契約そのものを夫婦で半分にするわけではありませんが、積立型の生命保険などに解約返戻金がある場合には、その解約返戻金相当額が財産として評価され、財産分与の対象となることがあります。


また、「子どものための学資保険だから財産分与とは関係ない」とは限りません。


婚姻中の夫婦の収入から保険料を支払って積み立ててきた学資保険であれば、その解約返戻金が財産分与の対象として問題になることがあります。


このように、財産分与では、


「誰の名義になっているか」

「預金なのか、保険なのか、退職金なのか」


という形式だけで判断するのではなく、その財産がいつ、どのように形成されたものなのかを確認する必要があります。


なお、財産分与については、令和8年4月1日に法律が改正され、財産分与を請求できる期間がこれまでの2年から5年に延長されるなど、いくつか重要な変更がありました。


この法改正については、次回以降のブログで改めてご紹介したいと思います。


弁護士 市川哲宏

2026年8月10日月曜日

【8/11~8/16】夏季休業のお知らせ

 誠に勝手ながら、弊所では下記の期間を夏季休業とさせていただきます。

皆様にはご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い致します。
                 記
    期間:令和8年8月11日(火・祝)~8月16日(日)
    ※8月17日(月)より通常業務

2026年8月1日土曜日

8月の無料相談日のお知らせ

当事務所では、毎月第3木曜日に無料法律相談日を設けています(※要予約、先着順)。


今月は、8月20日(木)に開催致しますので、

ご希望の方はお電話(0568-85-4877)にてご予約ください。

  

  ★午前10時~午前12時は「高蔵寺事務所」にて先着3名、各30分

  ★午後1時~午後4時までは「春日井事務所」にて先着4名 各30分

2026年7月24日金曜日

交通事故の相手が任意保険に入っていなかったら?

交通事故の相談を受けていると、事故の相手が任意保険に加入していない、いわゆる「無保険」のケースがあります。


「相手が無保険なら、損害賠償を受けることはできないのでしょうか」と心配される方もいますが、任意保険に加入していないからといって、相手方の損害賠償義務がなくなるわけではありません。


ただし、実際に損害を回収できるかという点では、通常の交通事故とは異なる問題が生じます。


まず、人身事故については、相手が任意保険に加入していなくても、自賠責保険に加入していれば、被害者から相手方の自賠責保険に直接請求することができます。


自賠責保険では、傷害について被害者1人につき120万円を限度として、治療費、休業損害、慰謝料などが補償されます。


もっとも、自賠責保険は人身事故の被害者を救済するための制度ですので、車両の修理費などの「物損」は補償されません。


そのため、例えば車両の修理費が発生しても、相手が任意保険に加入していなければ、原則として相手本人に直接請求することになります。


ここで問題になるのが、相手に支払能力があるかどうかです。


裁判をして勝訴判決を得ても、相手に預貯金や給与などの差し押さえることのできる財産がなければ、直ちに全額を回収できるとは限りません。


無保険の交通事故では、「法律上いくら請求できるか」という観点と、「実際にいくら回収できるか」という実問題をいかに整理して解決にもっていくかが弁護士の経験値によって変わってくるところです。


また、被害者自身が加入している自動車保険を確認することも【重要】です。


人身傷害保険に加入していれば、相手方が無保険の場合でも、自分の保険から治療費や休業損害などについて補償を受けられることがあります。


死亡や後遺障害が生じた場合には、無保険車傷害保険を利用できる場合もありますし、車両保険に加入していれば、自分の車の損害について自分の保険を利用できることもあります。


さらに、ぜひ確認していただきたいのが「弁護士費用特約」です。


弁護士費用特約が付いている場合には、交通事故についての弁護士への法律相談や、相手方に対する損害賠償請求の依頼に必要となる弁護士費用を、特約の補償範囲内で保険会社に負担してもらうことができます。


一般的な弁護士費用特約では、弁護士費用について1事故・被保険者1名につき300万円程度、法律相談費用について10万円程度を上限として補償する内容が多く、通常の交通事故案件では、弁護士費用について自己負担が生じないケースが多いです。


また、弁護士費用特約だけを利用したことによって、自動車保険の等級が下がるという扱いには通常なりません。


そのため、相手が無保険で、「相手本人と直接話をしなければならないのか」「修理費をきちんと支払ってもらえるのか」などと不安を感じている場合には、ご自身やご家族の自動車保険に弁護士費用特約が付いていないか、一度確認してみることをお勧めします。


なお、弁護士費用特約の補償範囲や利用条件は保険契約によって異なりますので、実際に利用できるかどうかは保険会社への確認が必要です。


また、相手が任意保険だけでなく、強制保険である自賠責保険にも加入していなかった場合、人身損害については、国の「政府保障事業」による救済を受けられる場合があります。


このように、相手が無保険だからといって、直ちに「泣き寝入り」になるわけではありません。


むしろ、相手が無保険の場合には、自賠責保険、自分自身の保険、弁護士費用特約、相手本人への請求など、利用できる方法を早い段階で整理することが重要です。


当事務所では、交通事故についてのご相談をお受けしています。


ご自身の自動車保険に弁護士費用特約が付いている場合には、法律相談や弁護士への依頼について自己負担なく利用できるケースも多くありますので、「この程度の事故で弁護士に相談してよいのだろうか」と迷われる必要はありません。


相手が無保険でお困りの場合には、お気軽に法律相談についてお問い合わせください。


弁護士 市川哲宏


2026年7月1日水曜日

7月の無料相談日のお知らせ

 当事務所では、毎月第3木曜日に無料法律相談日を設けています(※要予約、先着順)。


今月は、7月16日(木)に開催致しますので、

ご希望の方はお電話(0568-85-4877)にてご予約ください。

  

  ★午前10時~午前12時は「高蔵寺事務所」にて先着3名、各30分

  ★午後1時~午後4時までは「春日井事務所」にて先着4名 各30分